渦。


世界が渦を巻き始めてから、一週間が経とうとしている。
様々な想いが、空を覆っているように見える。
空だけではなく、この身を包む空気そのものに、充満している。

正しいとか間違ってるとか、
正解などないから余計に、
様々な立場と角度から、
様々な想いがぐるぐると渦を巻き、混乱する街。

「闇」になるのでは、という不安と、
誰もが心の中で戦っている。

自分の発した言葉も、
渦に呑込まれ、
意図しない色に塗り潰されそうな気がして、
ひたすら「黙」に徹した一週間。

心が痛い。

時折、痛いという感覚を通り越して、
「虚ろ」という穴に、陥りそうになる。

限りなくクリアな、自分の言葉が欲しい。
そして揺らぎのない、心と身体が。


「生きている」
「生きている」
「生きている」

そう何度も、心の中で、呟いてみた。
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前に飛べ


縦に飛んで
横に飛んで
後ろに飛んで
前に飛べない
何かが足りなくて

一歩進めば凶器の肩が
ぶつかり合う街中でも

リズムを刻んで口を開けば
それぞれのうたが溢れ出す

スキップの足りない街に
スキップの足りない心に

皆のうた 今すぐ束ねて

縦に飛んで
横に飛んで
後ろに飛んで
いっせーので前に飛べ
プロフィール

夏 瞳

Author:夏 瞳
シテキナルモノ を、
書こうとする人です。
音符にも言葉を、
のせたりします。

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