ある日、ごご。
雨が上がった帰り道、自宅へ戻ると、嬉しい贈り物が届いていた。
北海道で創作をされている、ナガオ サミヤ さんより、手作りの、絵本。
パラパラめくると、コマ送りのような動画になる、素敵な絵本だ。
「 ある日、ごご。」
思わず、感嘆の声をあげ、
そのパラパラ世界に、一瞬で魅了されてしまった。
良いものを、見つけた! 胸が震える。
お礼のメッセージを送る前に、
気がついたら、むくむくと想像が湧いてきて、
言葉を書きなぐっていた。
どうしてもその不思議な「詩」の世界を紹介したくなり、
ご本人に了承を得て、その時書いた言葉とともに、
ここに掲載させて戴くことにする。
通りすがりの 見知らぬ何かが
おはようと叫んでいる
生き物だったのだろうか
おはようございますと
空にお辞儀をする
ある日、ごご。
いつのまにか足が消えていた
頭はがらんどうだった
消えた瞬間から始まるものを
数えようとする一歩手前で
風はいつも
運命的に吹いた
取り外しのできる風景というのを聞いたことがある

血肉 という言葉に
嘘だろう? と笑えるくらいの
線が見える
たくさんの笑い声が
美しい線となり
山の尾根をなぞる

僕はカラフルな
寂しい花瓶のことを思い出した
色と言えば
自らの口から出る
煙の白しか知らなかったから
あれはどこにやったかな
そういって風景から目を逸らした瞬間
指先に奇妙な感じを覚えた
ある日、ごご。
作画/ナガオ サミヤ
編集/和泉 昇 (Editorial Airplane)
言葉/夏 瞳
編集/和泉 昇 (Editorial Airplane)
言葉/夏 瞳
スポンサーサイト