表紙のお話。
たまたまネット上でその神秘的な画像を見た時、「コレだ!」と直感した。
なのに、「コレ」が何なのか分からない。
でもどうしても、その画像を詩集の表紙に使いたくて、頭を抱える。
どんなキーワードで検索しても、その画像の出所が分からないのだ。
画像には、ただ、「地球館」とだけコメントが添えられていた。
地球館……?どうやら博物館に展示してあるらしい。
その手掛かりだけを頼りに、上野へ向ったのは昨年九月のこと。
上野の国立科学博物館を端から端までくまなく探しまわり、
もうダメだ、と諦めかけたその時、
ようやくその画像を発見することができた。
奥まった一画だった。
等身大のモノクロ電子パネルに、探し求めた「コレ」が光っている。
あった!と思わず声を上げて駆け寄る。そこには意外な名前が書いてあった。
「放散虫」。ほうさんちゅう?え??むし?虫なの?目が点になる。
よくよく説明を読むと、なんとそれはプランクトンの微化石、というのだ。
放散虫の詳細はウィキに任せるとして、
今日はエルンスト・ヘッケルが描いたその美しい生命の形を一枚載せておく。
いや、もう溜息…。

博物館を後にして、画像のクレジットから所有者の方を探し出し連絡を取る。
有難いことに、突然の申し出を快く承諾して下さった!
そうして表紙を、貴重な放散虫の画像で飾る事が出来た。
これがもう、本当に美しい。
いよいよ、詩集完成が楽しみになってきた。
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