それは懐かしくも未知なる法則で
手順を知らない私は高揚した
追いかけても手に入らず
飛び跳ねても見えやしない
そんな平凡な年老い方に反抗し
単なる無邪気さで
詩的な自分を取り戻そうとしたことを恥じた
風景の切れ端を
指をくわえて見ているしかなかった私の前を
彼女は颯爽と走る
どこまでも どこまでも
果てを知らない軽やかさで
辺りは一瞬で
ぽろぽろと垢を落とし始め
ああ
懐かしさと新しさは
混ざり合って澄み切るんだな
夢じゃない
まるで奇跡のように
私は一瞬だけ
普遍の涙を感じたんだ
2013.12.8 画家 如月愛さんと海の覚え書き
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